2層栽培・根系分割灌水による高糖度トマトの栽培方法

なんかすごい難しいタイトルですが、昨日聞いたセミナーの内容です。
トマトの栽培には詳しくないのですが、現状の高糖度トマトの栽培には、
「生育するために必要な水分を維持しつつ水ストレスを与えることが求められ,水分センサーなどを用いた厳密な灌水管理が必要」と言うことらしいです。
これを、厳密な水管理を必要としないで(設備面で低コストで)高糖度トマトを作ろうと言うのが、今回のお話し。
それを実現するのが、植物の根が持つhydraulic liftという機能?だそうです。
それが何かと言うと…
砂漠などに野生で生えている植物は、根を地下深くの水分がある土壌まで根を伸ばすことで、水分を吸収して成長します。
さらに、吸い上げた水分のうち不要な水分は、上の乾燥している土壌の部分の根から土に水分を放出します。
そのため、砂漠などでは、自生する木の周りに植物を植えると(土壌に水分があるので)育つんだそうです。
※下の左側の図
この根で水分を調整する機能を利用したのが今回聞いた栽培方法でした。
トマトの栽培を行う土壌も2段に完全にわけ、上の段は乾燥させた状態、下は湿った状態にします。
そうすることで、下段から吸い上げた水分のうち、必要
最低限の水分以外は上の乾燥土壌に吸収させることができ高糖度にできる
、と言うのがこの技術の概要だそうです。
(実際は、初期の段階では上の土壌にも適度な水分を与え、着果後に乾燥状態にするようです)
※下の右側の図
これにより、栽培時期にもよりますが1~2度は糖度が上がるとの事です。
またトマトの品種についても問わないそうです。
トマトは作る予定がないのですが、トマトの栽培方法と言うより、植物の根が元々持つ水分調整機能が面白いなー、と思ったのでした。
ちなみに、こちらの技術は、現在色々なところで実証実験が行われたり、実際に2層栽培を実用化するためのプランターなどの装置の開発を行っている状況のようです。
秋田ではまだ実際に試験栽培を行っている農家などがいないとのことですので、ご興味のある方は秋田県立大学までぜひどうぞ。

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