提携米通信2003年2月号

異常が常態化した近頃の天候
1月・2月の「青空」や「雨」は、秋田には不似合い。
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2003.1.22 有機農業研修会

この冬の秋田は、早々と寒波が襲撃し、早い降雪がありました。  この分では、暖冬など近頃の異常気象がおさまり、クリスマス前に降った雪は3月までの根雪となる、本来の秋田らしい気候がやっと帰ってきた。・・・・・と、何だかホッとする気持ちになりました。 ところが、その後の天候は、猛吹雪が襲い、視界不良で道路が通行止めになり、皆さんにお届けする荷物が、延着するという日が数日続いたかと思うと、次は大雨で雪が融けたり、春のような日が続く。今年も異常です。
上の写真にある私達の研修会では、「天候を予想した栽培を行う」のではなくて、もはや「どのような天候になっても、手ひどい被害を受けない栽培」が肝心。という結論です。
ところで、このような異常気象に関連して、私達の地方紙に「リンゴの珍しい凍傷被害」という記事が載りました。これは、11月中旬のひどい寒波で、フジが、園によって凍傷にかかり、その凍傷は収穫箱詰め時には判らなかったが、年末頃になって、果肉が茶褐変した。という被害です。  でも、被害は、寒風の当たる園の外周樹や、樹の外縁部の果実のみで、極一部のようです。
我が農舎が斡旋している有機リンゴ生産者はその記事を見て、万一そのようなフジが混じっていたら・・・・・と、心配して連絡して参りましたので、該当の方にお知らせし、取りまとめてから、2月上旬に代品をお送りさせて頂くことに致しました。お知らせに対し「美味しかった」「無事だった」「少しは傷んでいたが、大丈夫」「自然相手だから心配無用」などとの暖かいご返事をたくさん頂き、これを伝えた有機リンゴの生産者は、皆さんのお心遣いにたいそう感激して、これからも期待に応えるリンゴ作りに励みたいと感謝していました。有機農業を志す仲間として皆さんのご理解に心よりお礼を申し上げる次第です。 


トレーサビリティー・スローフード  JAS表示(日本農林規格)
昨年は、牛肉の産地偽称問題や、輸入品を国産と偽る鶏肉や豚肉の表示違反問題など食材についての偽称のニュースがたくさん報道されました。
また、年明けには、農協が「八女茶」と表示して、八女のお茶だけでなく、九州各地のお茶をブレンドしていたということがニュースになりました。確かに「偽称」は悪いことです。
しかし、最近のヒステリックな報道や、これについての行政対応は、どうも本質を見失っているようで気になります。今号は、標題にある最近よく出る食品用語やその問題にふれてみます。

最初は「トレーサビリティー」という最近よく出る表現。これは「追跡可能」ということで、狂牛病を発端として、食品の生産から流通までの過程を明確化するという意味です。
牛の誕生から、与えた飼料や屠殺(トサツ)解体など狂牛病の汚染経路を明確にしないと、たちまち人体に影響がありますから、狂牛病対策にはトレーサビリティーは必要不可欠です。
次に「八女茶」に、お隣の熊本のお茶を混ぜたなどのJAS表示問題。これは、輸入鶏肉を国産鶏肉と偽ることと同列のJAS表示違反と騒がれていますが、少し疑問に思います。
「八女茶」は、八女で収穫されたお茶だ。という狭義の意味も確かにあります。
しかし、「八女茶」という呼称の本来の意味は、九州地方の古くからの美味しいお茶を、単に産地名で称した一般流通上でのブランド名と理解するべきです。
八女のお茶で、品質の劣るお茶もいっぱいあるでしょう。逆に隣の熊本には八女より優れたお茶もあるでしょう。農薬など栽培方法もほぼ同じだと容易に類推できる九州地方の美味しいお茶を「八女茶」というブランドで出荷したことを、JAS違反だと騒ぐのは少しマト外れです。
もし味の悪いお茶が「八女茶」で売られれば、産地が「八女」かどうかが問題ではなくて、美味しいはずの「八女」が不味いことを問題として、そのお茶は次には買わねばよいだけです。
しかし、外国産の鶏肉を国産鳥と偽ることは、これとは違います。東南アジアの鶏の飼養加工に、どのような薬品が使われているかなど、消費者にはまったく類推できないからです。
最近は、このような点を無視した無差別なJAS規格制度の強化が進んでいますが、規制緩和の流れに逆行したこの風潮は、役人を増やす口実に使われるだけの困った現象です。
大事なことは、消費者市民の健康や生命にかかわる問題はJASや食品衛生法など税金を使った権力行使を強化する。一方、八女茶かどうかなどの問題は、私達消費者が自己責任で商品を選択するという姿勢。このケジメが行政にも市民にも一番必要です。 
 
いずれにしても、インスタント食品やファーストフードを好んで食べたり、大量流通の安価で手軽な食材を買いあさる生活姿勢に疑問を持たないで、JAS表示など権力統制に頼って食材を選んでも、本当に好い食べ物にありつけることにならないことは確かです。

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最後に、十数年前からチラホラ聞こえだしたイタリア生まれの「スローフード」・・・という言葉。この数年であちこちで聞くようになりました。
豊かな食生活。・・・・・・・これは高価なグルメではありません。早い・安い・便利に流されることなく、大根一本でも色々工夫する。伝統食を愉しむ。・・・・・このような生活習慣。
このスローフード運動にこめられた「食の姿勢」こそが今必要なことだと思います。

投稿者 kurose : :2003年02月01日