通信H19年12月号(政党に利用される農業)

この一年ご支援ありがとうございました。

 今年の収穫も無事終わり、お正月用のお餅のお届けなどに追われる時期を迎えました。
 異常気象の中で、心配したり、苦労することもありましたが、皆さんのご支援のお陰で、何とか乗り切れました。ありがとうございました。
 今年の黒瀬農舎恒例の、そして最後のイベントは、私たちの田圃の水が生まれる馬場目川源流部の国有林に「ブナを植える集い」(11月3日・文化の日)でした。
 15年前に始めた頃は、この時期は、山は木々も葉が落ち、晩秋の寒々とした風情でした。でも、近年は最後の紅葉が愉しめる年もあるようになってきて、今年は更に暖かく、紅葉の最盛期に当たりました。気象の異常があらためて気になります。

 ブナ植栽は今年で15年目。
 馬場目川源流部の造林杉伐採跡の国有林の一部です。
 昨年から第3植栽地になって、林道をマイクロバスを捨て、綺麗な谷川を渡っ第3植栽地の会場に向かいます。

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今年も150名ほど集まり、雨が気になる中で開会式や、地元営林署の方から植栽の方法など教わりました。
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開会式が終わって、早速ブナの苗やクワ
などを持ってグループ編成の上、植栽地に向かいますが、
道中でまた綺麗な谷川を渡ります。
この道は、ブナ植栽運動のスタッフが前日までに数日山に通い整備したものです。
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植栽地は、元々ブナの原生林ででしたが30年ほど前にブナが開伐され、造林杉が植えられ、その杉が数年前
に伐採された跡地です。
ブナを植えるために、夏過ぎから下柴など整備してきましたが、切り株も残っており足元にはご注意です。
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 今年も、遠く関西や関東から参加下さった皆さんでロッヂは満員。
 この時期は、年によっては大ぶりのメジマグロが男鹿の港に揚がるのですが、今年は前夜祭の日には手に入らずに残念でした。でも、キリタンポ鍋や男鹿の魚、村の野菜などで賑やかな前夜祭が行えました。
 当日は、朝方は豪雨でしたが、植栽中は雨も空け盛会な集いになりました。この集い、カンパやご参加など皆さんのご支援のお陰で15年も続き、水の大切さや、農薬排除などの関心が地域の人々に年々高まっています。ありがとうございました。

 黒瀬農舎の次の恒例イベントは、2月9日・10日「男鹿のナマハゲ祭り・地吹雪体験」です。
 温暖化で地吹雪舞う本来の秋田が、この日現れるか少し心配です。
 でも、この日のために、友人が今年の初猟で仕留め熊肉も手に入りました。この日は参加者に熊鍋を振舞います。ご期待下さい。
 参加定員は10名以内です。早めに割引きキップの手配と参加予約のご連絡をお待ちしてます。
では皆さまご家族お揃いで、どうぞ健康で素敵な新年をお迎え下さい。

農業問題この一年

 この一年も色々の出来事がありました。
 お米をご利用頂いている皆さんは、農業問題に接しられる機会は少ないと思いますので、年末号は、農業にまつわる今年の動きに少し触れたいと思います。

 最初は国際分野。これは国際穀物価格の急上昇です。この影響で国内でも夏過ぎから食料品の値上げが始まっています。この原因は次のような背景です。
 1つは、日本と季節が対極のオーストラリアが昨年大干ばつに見舞われ小麦が半作だったと年初に判明するなど、各地で異常気象による凶作が起っていること。
 また、今年も豪州の米の作付けは、水不足で2万ヘクタールに止まった。(私の村の水田だけでも1万ヘクタールですので、如何に少ないかお判り頂けると思います。)
 2つ目は、中国が国際市場からの大量な穀物買い入れを加速してきたこと。
 3つ目は、今年1月にアメリカ大統領が「2017年までに年間350億ガロンの自動車用代替燃料化を義務付ける。」(現在のトウモロコシ生産量を全量投入しても賄えない規模)と表明したことや、ブラジルなどでも農作物のエタノール化が急激に進んで、国際的に穀物不足になってきたことです。
 このように、今まで過剰基調であった国際穀物が、今年は不足傾向に転じ、今後もこの傾向は改善されることはないと予想される転機の年になりました。

 一方、国内での農業関係の大きな出来事は、唐突ですが、夏の参議院選で民主党が大勝したことです。
 自民惨敗の原因は幾つかありますが、私の近隣の平素から自民党支持の農民の多くも民主党に投票しました。これは、民主党の農家へのバラマキ公約の効果で、農民票が民主党に大量に流れたことが大きい原因でした。 
 これにこりて自民党は、参議院選惨敗後は、急に大規模な緊急財政支出を行うなど農民サービスに躍起です。
 今までの農政は、食糧や環境問題を軽視するなど、決して褒めるべきものではありませんが、かといって、今の動きは、日本農業の今後にとって決して益するものではありません。
 元々悪いのは、補助金に頼るだけで、自立心や社会性を持たない地方の多くの農民ですが、かといって、国民の税金を使って補助金をバラ撒くことで、農民の票を集めようとする旧態依然の手法を今になって与野党が競い合い始めたのは驚きです。
 民主党は「土地改良事業などに財政を使っても、土建屋など利権のある一部が益するだけ。それよりも、農民に直接所得補償を」と云っています。
 この主張は一見正論のように見えますが、実際は大きな間違いです。個々の経営に財政支援をすれば、農民の自立を妨げるだけです。国家が国民の税金を使う場所は、個々の経営では対応できないインフラ整備に限定すべきです。 
 食糧や農業や環境についての日本の将来ビジョンは民主党にも自民党にも、他のどの政党にも、ありません。彼らが常に腐心しているのは「票集め」だけ。
 国民を愚弄し、それ以上に農民を小馬鹿にして、単に票を得ようとするだけの、とんでもない動きが、またまた再現してきた嘆きの年でもありました。
 

投稿者 kurose : :2007年12月04日