14年3月/冬は農機具整備

ほとんど雪がないまま春を迎えそうです。 PDF版 】

スノーモービルも暖冬で出番なし
スノーモービルも暖冬で出番なし

2月中旬には東京など関東が記録的な大雪に見舞われたとのこと、お見舞申し上げます。
今年の秋田は、横手、湯沢など県南地方は豪雪ですが、私たちの中央部地域や北部地域は、道路の除雪が必要だった日はほんの数日。冬の雪で稼ぐ地元の土木建設業の方は、目論見はずれで落胆しているのが実情です。

我が家では、秋口に「この冬は大雪」という長期予報を聞いて、新潟の豪雪地域から出品された大型の除雪機(20年余り前製の年代物)をオークションで落札しました。

しかし遠方のため輸送費は結構な高額。八方手を尽くした結果、自分で取りに行くに必要な高速道路通行代金よりも安価にお願いする先が見付かりましたが、持ち帰った除雪機は年代物のため、メーカーの部品提供期限は数年前に終了済。

交換が必要な部品は汎用品や農機具の廃品から外した部品を加工するなど、本業の合間合間に2週間ほどかけて、自前で整備に没頭し、完全整備に成功。

また、一番上の孫は幼稚園児になりましたが、外で遊ぶことを好まない。屋外活動の面白さを覚えさせようと、写真のスノーモービルも手に入れました。これも、除雪機同様の年代物。数週間掛けてせっせと整備しました。

ところが、今年は「暖冬」。
試験運転できる程度の雪が数度積もっただけ。大型の除雪機は不要。折角の大型除雪機の活躍の場がありません。スノーモービルも、雪原をぶっ飛ばせる雪は降らず、孫とも遊べません。

とうとう大型除雪機もスノーモービルも使わないまま春を迎えるようです。

今月末から始まる、今年のお米作り期間中に、このしっぺ返しの天気が来ないことを祈りながら、次の冬を楽しみにしています。


冬の期間は農機具整備に追われる毎日。

今年は暖冬で雪が少ないとはいっても北国秋田では、12月から3月下旬までは屋外の農作業はまったく出来ません。

この期間は、お米の出荷作業は休み無くありますが、屋外作業が出来なくて空いた時間は、もっぱら機械や夏に使う道具などの整備や制作などに追われます。

実際には「能率が悪い」ことが原因している面もありますので、「追われる・・・」という表現は、少々おこがましいので「整備制作を愉しむことに費やす日がほとんど」と改めます。ですので、我が農作業庫には、「ありとあらゆる」と言って良いほどの工具など工作機具が集まっています。

農業機械や農作業用の道具は、「鉄系」の素材が多いので、そのほとんどは鉄鋼工作機具ですが、時には農作業小屋を造ったり改造したりするので、基礎をいじくるためのコンクリート系もあります。

溶接機ひとつとってみても、アークもあれば半自動、スポット、ガスなど、同じ鉄が相手であっても、厚手の鉄用とか薄手用など用途に応じて幾つも必要で、持ち合わせない工具は隣近所の友人などと互いに貸し借りすることも多いです。

 

ところで、壊れたり、すり減った物を元に戻す「修理」は比較的簡単ですが、改良したり、市販品にない便利な物を新たに造る「創作」は骨が折れます。

また、修理であっても、前のページの除雪機のように、古い機械などメーカーの部品供給が終了している年代物のポンコツ機の場合は、他の機械の部品を援用して加工したり、新たに部品を造ることが必要な時は創作同様に苦労します。

 

苗箱供給機改良中
苗箱供給機改良中

このページの写真は、来4月に必要な「種蒔き機」のラインの中で使用する、スタート時の「箱入れ機」と最終工程の「箱積み機」の2つの機械です。

手で田植えした時代の種蒔きは、田圃や畑に苗床を作り、そこに直接種を蒔いていました。

しかし、田植機用の種蒔きは、横30センチ、縦60センチ、深さ3センチの浅い規格箱に→有機肥料を撒き→その上に2センチ程度床土を入れ→水を撒き→床土に水がしみ渡れば→種籾を撒き→次に軽く土で覆う。

・・・・・この行程が延長6~7メートルのライン上を2本のVベルトに乗った苗箱が移動する間に蒔き上がる装置で行います。

この装置の欠点は、ラインスタートの苗箱供給機と最後の箱積み機の行程でスリップが起こるトラブルが時々発生します。

この冬は農機具店のスクラップ置き場から、古い田植機の幅広ベルトを手に入れ、シャフトや軸受け、プーリーを組み合わせて2ヶ所から動力を取り出し、このスリップを皆無にする改良工作に取り組みました。

種蒔きの最終ライン「箱積み機」
種蒔きの最終ライン「箱積み機」

改良には、延べ半月を費やしましたが、当初期待した以上の出来映えだと自賛しながら来月の種蒔き作業を楽しみにしています。

 

ところで、この改良などの創作は、何年考えてもアイデアがなかなか浮かばないことがあります。また、改良構想は直ぐに思いついたが、工作に取り掛かると期待通りにに進まず、アイデア自体が欠陥だったことに気づく場合も数多くあります。

逆に、難しくて改良するアイデアがまとまらないまま、試しに工作に取り掛かってみると、いたって簡単に解決する場合も時にはあります。

 

ところが、まだ難関があります。この何れの経過を辿って完成させても、作業シーズンに実際に使ってみると期待外れ、失敗で終わる悲惨さです。打率5割がいいところ。その上農業は、季節仕事。翌年までは再挑戦も再現もできない宿命があります。

果たして、今年の改良作品、昨年冬に成功した「有機肥料の施用装置」同様に、期待通りの性能を発揮してくれるか。これが冬の愉しみです。