16年4月/バックホーは直せても…

春が来ました。でも不順な天候で心配の日々です。PDF版

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例年なら4月中頃以降に咲く紅梅。今年は1ヶ月早く満開になりました。 2016.03.17撮影

4月に入りますが、この冬は、雪国の秋田にほとんど雪がないまま春を迎えました。

例年ならばこの時期に抱く「春になった!」という季節変化の感激がまったく感じられない、何か寝不足の時のような、困った天候です。

この写真は、我が村の幹線道路沿いのグリーンベルトの一部「梅並木」の紅梅です。
秋田など北国では、春の花は、例年では、4月下旬から5月初旬に梅も桜も1週間違い程度で一斉に花が咲き始めます。

ところが、この紅梅、今年は3月半ばに1ヶ月も早く満開になりました。
もっともこの紅梅以外の他の品種の梅の蕾はまだ硬いようですが、例年だとどの品種も2,3日違いの開花です。今年の暖冬で梅も混乱したのでしょうか。

ところで、お米作りの作業がスタートする時期を迎えましたが、近年の異常な天候に振り回され、自然に左右される生産者は誰もが今後の天候に心を痛めています。

農薬などに頼らないお米作りは、気温が異常に高かったり、低かったりすると、害虫や病気が多発するなどのことが多く、その場合にも農薬などを使わないで収穫まで持って行くには、種蒔き時期のずらしなど栽培方法での色々な工夫を凝らすことが一般栽培以上に大切になります。

このため、我が農舎では、今年の種蒔きは、天候の様子をもう少し確かめ、少し時期を遅らせるのが良いのだろうかなどと思案しているところです。

 

ボロのバックホーは直せても・・・・・

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30万円で手に入れた小型バックホー。整備完了。 2016.3.25

春作業の時期を控えて、先日2トンクラスの小型バックホーを手に入れました。また、搬送費を出すのは忍びないボロで安い機械なので、300Kmほどの宮城県まで、これまた平成初期の走行距離20万キロのモミ運びに使っているボロの4t車で引取りに行きました。

このバックホー、新車だと200万円余りの代物ですが、予算が乏しく30万円ポッキリの昭和の時代の年代物。
当時の小型機にはキャビン(運転室)も無く、足場パイプやアングルを材料に屋根を作ったり、エンジンや油圧系の整備に3日ほど手を掛けて、これから10年余りの間十分使い続けられるまでに仕上がりました。

種蒔きが終われば、早速このボロバックホーでカモの餌 場や遊び場を作ってやりたいと愉しみにしています。

 

ところで、話しは変わりますが、アメリカの大統領選挙のニュースが最近豊富です。 この中で年明け以降私たちの農業に関係する部分で特異でビックリするような話しが出てきました。

それは、例のTPP問題です。日本でのTPPの報道論調は、議論され始めた時から、日本国内には賛否両論あるが「アメリカの世論はごく一部を除きTPPに大賛成」であると思わせる位置付けをした報道がほとんどでした。

ところが、この度アメリカ大統領選で保革共々「反TPP」の大合唱が始まったことは、例え今後オバマ大統領が批准を強行して逃げ切ったとしても驚きです。
この原因は、世界的な経済停滞やアメリカでの雇用不安の高まりもありますが、このことに関わらず、大統領選でのこれほど強い反TPPを見れば、アメリカ国内には当初からTPPへの反対や批判世論が相当大きくあったことが伺えます。

しかし、日本のマスコミや評論家たちは、このことを知らず、私たちにまったく伝えて来なかった。彼らの不勉強や力量不足を強く感じ、あらためてマスコミ不信がつのります。

また、この不信はマスコミや評論家に止まらず、日本の政治家たちも同じです。
世界中で物が過剰になり市場経済システムが的確に機能できなくなった現状を認識せず、社会主義世界が崩壊した頃の古い時代の発想から転換できないままの安倍さんが、短絡的に打ち出すTPP推進を始めとした経済金融政策に対して、自民議員は誰もが鵜呑みするばかりで、反論も議論さえもしない、できないという今の与党自民党は機能不全に陥っています。

また、経済政策だけでなく原発や安保、憲法問題などどの政策においても同じです。 一方で、野党が頼りなるかと言えば、それはさらにもっと期待できません。

ボロのバックホーを使えるように整備はできても、政治経済について無力な私たちとしては、頼りとする政治や政治家が信頼できないだけでなく、ジャーナリストも評論家も何も頼りにならないという八方ふさがりにおかれている今日の状況は深刻です。

まさに「保育園落ちた!」のブログの女性の心情がよく判ります。