17年8月/ムシが付かない・カビないお米

豪雨お見舞いと共に、暑中お見舞い申し上げます。 【 PDF版 】

「気象の乱れで、無農薬栽培も大荒れ」 6月の低温で、稲が成長せず、カモの活動で稲は大ダメージ。稲を守ろうとカモを囲い込むと、田んぼは雑草まみれ。近年まれなアクシデントの多い年になりました。
「気象の乱れで、無農薬栽培も大荒れ」
6月の低温で、稲が成長せず、カモの活動で稲は大ダメージ。稲を守ろうとカモを囲い込むと、田んぼは雑草まみれ。近年まれなアクシデントの多い年になりました。

各地でゲリラ豪雨が暴れています。広島、福岡、大分などで被害にあわれた皆さんお見舞い申し上げます。

我が秋田も、7月22日、23日の二日間集中豪雨に見舞われ被害が続出、秋田新幹線も線路崩壊で、7月中は一部代行輸送です。
その折には、沢山お見舞いのお電話を頂戴し、ありがとうございました。

お陰さまで我が村は、洪水警報が出たものの、被害はありませんでした。
ところで、洪水注意報や洪水警報が秋田県内の全市町村に出ても、すべてが海抜ゼロメートル以下の我が村には、洪水警報が出ることはほとんどありません。

それは、日本で2番目の2万ヘクタールだった八郎湖が、梅雨期には3万㌶なるという、昔の八郎湖周辺の冠水被害の常態化解消が、八郎潟干拓事業のより大きな目的・治水対策だったことに由来し、排水設計は完璧に近いようです。
今後、大地震、大津波などで正面堤防が決壊すれば、村中があっという間に浸水しますが、幸いにも、元々浅かった湖ですから、人的被害が出る恐れは少ないと予想されます。

余談ながら、半世紀余り前の干拓計画時は、日本は発展途上の貧乏国で、当時の国力からすれば、首都移転に匹敵する大事業への資金も技術力も乏しく、世界銀行からの借款で着工できたものです。いま土木学会では、軟弱地盤工事開発の日本の聖地だと言われているようです。大雨が降る度に、設計施工に携わった人々の英知と汗の結晶に感謝する次第です。

このゲリラ豪雨だけでなく、最近の天候は気まぐれで、当地は低温続きの6月に稲の生育が大幅に遅れ、無農薬栽培の除草対策がトラブル続きで、近年にない苦労連続の稲作前半でした。台風の来襲のないことを祈りながら、後半の管理に頑張りたいと思っています。

 

ムシが付かないお米・カビないお米 = そんなお米って、食べて大丈夫 ?

コクゾウムシ
コクゾウムシ

農薬まみれの危険なお米にはムシは付きません。栽培期間中も、保管中も農薬などを一切使っていないお米にはムシが安心して集まります。

そのお米につく代表的なムシは2種類あります。
一番多いのはコクゾウムシの成虫です。このムシは、ゴマ粒のような黒褐色で、よく見ると口が象のように長く飛び出ており、この姿から穀物の象=コクゾウムシとなりました。
米粒に穴を開けるように食害します。

もう一つはコクガの幼虫です。幼虫が小さい間は、5㍉程度の白いウジ虫で、成長に従って褐色になります。
幼虫は、米粒を食害しながら、蚕のように口から出す糸で米粒を紐状に繋いでいきます。
成虫になると白褐色の小さ目の蛾となって、お米を離れ、部屋中の薄暗い所を好んで飛び回ります。

両ムシ共に30℃近くになると発生が急に増えます。
発生した場合は、コクゾウムシの場合は、お米を新聞紙の上などに薄く広げて、日陰に1,2時間干すと、どこかへ逃げていきます。 (お米を直射日光に当てると、お米がまずくなります。)
コクガは、手や、割り箸で繋がった米粒の固まりを幼虫と一緒に取り除いて下さい。

コクガ
コクガ

またムシは、洗米時に水の上に浮き上がりますので、流して取り除くのも便利です。
コクゾウ、コクガ共に、手や皮膚に触れても、噛まれたり、かぶれるなどの毒を出すことはなく、また、誤って食べたとしても身体に害はありません。

お米のカビ
お米のカビは、気温の低い冬期間でも、湿度が高かったり、お米を移動した時などの温度変化で米粒の表面に結露が起こりカビが出ることがありは、やっぱり夏場の発生が多いです。
カビは、黒や赤、或いは褐色、緑などその時発生したカビの種類によって色や、形状は様々です。また、見た目ではわからなくても、洗米した時に水が黒ずんだり、炊き上がって炊飯器を開けた時の臭いが好くない、ご飯がパサつく、風味がないなどの時も、軽いカビが出ていることが原因の場合もあります。

ただ、日本やアメリカなどのお米のカビには、タイなど東南アジアの暑い地域のお米のカビにある「アフラトキシン」を始め危険な発ガン物質は含んでいないことが定説になっており、身体への心配はありませんが、美味しくないのでもったいないでしょうが捨てて下さい。

お米は生ものです。保管にはご注意を!
美味しいお米の水分は、小麦粉や乾麺よりも2~3%高い15~16%あり、夏場の長期の常温保管は、ムシやカビを発生させると共に、ムシやカビが出なくても味を落とします。
お米は「生もの」「腐る物」と思って付きあって頂ければ有り難いです。
真空パックなどの処理がなされていない包装や、真空パックを開封した場合は、夏場は1ヶ月程度で食べ切るようにお願いします。
また、25℃以上の時期に長くおく場合は、①冷蔵庫の野菜室に ②乾かないように密閉して③冷蔵庫から取り出せば、袋や容器に露が付かない間に早く冷蔵庫に戻す。の励行を。
☆少々高くなりますが、夏場には、チャック付の2Kg袋で、常に冷蔵庫保管が、ムシ・カビを防ぐだけでなく美味しさも抜群です。

 水分管理や保管中の結露などの事故や乾燥ムラなどを起こさないように注意し、出荷時のチェックに努めていますが、その確認モレや、真空包装でない場合には、輸送中の環境によって、お米の水分が高まったりしたことで、お届けしてからのムシやカビの多発、味落ちなどを招く原因になる場合も皆無とはいえません。
万一ムシやカビの多発や、お米の味が極端に悪いと感じられた場合は、水分調整の加減など今後の改善に役立てますので、恐縮ですがご連絡頂ければ有り難いです。