17年9月/ブナの救出作戦成功!ブナ下草刈り

今年は苦労の多い年でした。でもこれもまた愉しみ。 【 PDF版 】

「田んぼに中に「沼」ができました。」 5月25日以降に田植えした我が家の無農薬田は、稲が低温で中々根付かず、カモ小屋の近くは、カモの活動で稲がなくなり、まるで沼のような有様。
「田んぼに中に「沼」ができました。」
5月25日以降に田植えした我が家の無農薬田は、稲が低温で中々根付かず、カモ小屋の近くは、カモの活動で稲がなくなり、まるで沼のような有様。

我が農舎の田んぼは、いま穂が出揃いこれから1ヶ月すると稲刈りを始める時期になりました。

ところで、今年の米作りは、久しぶりに心配や苦労が多い年でした。
その原因は6月の低温です。
農薬、中でも除草剤を使わない栽培を、気温の低い東北地方で行っている我が農舎や近隣の有機栽培農家にとっては困った年でした。

稲は暖かい地域では、田植後1日、2日で根着き(活着)、2週間から3週間で1株20本程度に増える旺盛な成長をします。
でも、東北では順調な年でも、活着に5、6日。20本までに5、6週間も必要です。

今年は早めの田植えは、好天に恵まれましたが、5月下旬頃の遅めの田植えは、低温が来て、3週間経った6月20日頃になっても1本も増えないばかりか、1株3本植えた苗は、2本に減る(虚弱な苗は枯れてなくなる)という経験したことのない悪天候でした。

しかし、このような環境であっても、農薬を使う一般栽培では、生育が遅れるだけで、その後の天候が好ければ、豊作の秋を迎えることもできます。

ところが、農薬を使わない栽培では、稲が活着しないため、除草機掛けやカモを放せば苗が傷む、これらを控えておれば雑草が繁茂する。という悪循環になり、大弱りでした。

その後7月8月の天候は、予想外の好天に恵まれ、今では稲は例年並みの成長にまで回復したものの、雑草まみれの田んぼとなり、パートの女性の皆さんに手取りの草取りを収穫までお世話になることが続きそうです。

今年は、改良した除草機の試験もできず、パート代など経費もかさみ散々の年でしたが、このようなアクシデントは、自然相手の仕事ではよくあること。これを乗り切るのもまた愉しみでもあり、来月無事収穫にこぎ着ければその時の喜びは、また一入(ひとしお)です。

 

ブナの救出作戦成功! 環境に負担のない生産や生活を目指したい。

ブナの下刈り作業   赤いテープは、下刈り作業時にブナを傷付けない為の目印
ブナの下刈り作業   赤いテープは、下刈り作業時にブナを傷付けない為の目印

田植え後の稲の管理が一段落するのを待って、ブナの下刈りに山に入りました。
毎年、文化の日に植えるブナの苗木は、3、4年の間、毎年夏前に下草を刈り取る必要があります。
栽植するブナの苗は、60から80センチ程度。翌年夏前に栽植した山を訪れると、ブナは一本も目に入りません。
笹、ススキ、イタドリなど背丈を越す雑草に覆われているのです。
今年の下刈り作業は、仲間の仕事の都合で1週間ほど遅くなりました。案の定、雑草は例年よりも伸び、ブナは窒息直前でした。

ところで、20年余り前に、ブナの下刈り作業を経験するまでは、夏の山は、涼しくて、田んぼの作業よりも快適だろうと思っていました。ところが、いざ山で作業を始めると、その予想は大外れ、真夏に炎天下の長距離マラソンなど行っている比ではありません。
草いきれでむんむんし、まさに地獄の苦行です。

でも、下刈りを行わねば、折角植えたブナは枯れてなくなります。ブナの救出作戦そのものです。秋に苗を植える時に、苗木に結んだ赤いテープを目印に、ブナに傷を付けないように作業を進めます。
作業前の朝には、一本も見えなかったブナの苗。大人数で、草を刈り取り、夕方には刈り跡一面に、赤いテープを着けたブナが甦るのを眺める充実感は最高です。
来年は、もう1週間から10日ほど早くブナの救出に山に向かおうと皆が話していました。

さて、私たちが20年余り前からブナを栽植している馬場目川源流部の山は、終戦直後まで一面のブナの原生林だった。川の水は一年中枯れることはなかったと伝えられています。
私たちの田んぼを潤す、馬場目川の源流部の植林杉の伐採地を中心にブナ植えを始めたのは、水の大切さや環境や農薬問題などに地域の人々に関心を持っていただくためです。

ブナは「緑のダム」と呼ばれています。降った雨を蓄え、長期にわたり下流に水を排出します。しかし、杉の植林でブナはほとんど伐採し尽くされました。その結果、大雨が来ると一気水が暴れ、乾季には川の水が涸れるようになったと聞きます。

 今年も文化の日に第25回目のブナ植えを行います。ご参加をお待ちしています。

大潟村の夏バージョン・向日葵のある風景  春はソメイヨシノと菜の花。夏はヒマワリ
大潟村の夏バージョン・向日葵のある風景  春はソメイヨシノと菜の花。夏はヒマワリ

ところで、8月の九州豪雨では日田市で大被害が出ました。この災害は、専門家の間では管理がおざなりになった杉や檜の植林が大きく影響していると指摘されているようです。
また、トランプさんは「温暖化の警告は欺瞞だ。」などと言っていますが、便利や豊かさの飽くなき追求は必ずしっぺ返しを受けるでしょう。私たちの農業でも同じです。環境に負担を出来るだけ掛けない、持続循環できる工夫が大切だと思います。

我が村自慢の10Kmを越えるソメイヨシノの桜ロードは、桜の時期には、上は桜の花。下は一面の菜の花。見事な景色です。
この菜の花は、夏には向日葵(ヒマワリ)ロードに変わります。今年も8月に綺麗に咲きましたが、向日葵は、開花期間が菜の花と違って、短く、あっと言う間に、黒ずんで見苦しくなるのが残念です。

新米出荷は10月10日頃の予定です。/ お餅・リンゴ・手作り味噌など 

今年も、年末のお餅やリンゴ、手作り味噌の予約注文のご案内を10月中頃にメール便でご案内します。
10月20日を過ぎても届かない場合は、配達ミスの恐れがあります。お手数ですがご連絡お願いします。