15年10月/新米・農業事情

無事収穫が始まりました。新米をお届けします。
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圃場確認会/2015.8.30 収穫期を前に栽培確認会を行いました。この時期には、今年の稲刈りは早くなりそうだと予想しましたが、その後気温が下がり、結局平年並みの時期になりました。

今年の冬は、除雪機の出番がないという記録的な暖冬だったので「春から夏の天候は荒れるのでは…」とたいへん心配していました。
ところが、栽培期間中ずっと好天に恵まれ、台風もなく収穫を迎えることができました。

自然を相手に仕事をしている私たちにとっては、こんなに嬉しいことはありません。

ところで、右の写真は、収穫期を前にした圃場確認会のスナップです。

この確認会は、種蒔き前に樹立した有機栽培計画書に記載した肥培管理が計画通り達成されたかどうかを提携米本部の担当者と、消費者側の生協や共同購入団体などの職員、それに参加している生産者全員の3者が各戸の圃場を回って確認検査することが主な目的です。

自然の中での栽培は、工場生産に比べて生産工程が判り難い点がありますが、化学肥料や農薬は本当に使わなかったかどうか。などは、土質や気候など同一風土で栽培活動する近隣のプロの生産者が見れば一目瞭然。栽培実態は手に取るように判ります。

またこの確認会は、本来目的の検査に加えて、有機栽培技術の交歓研究の場となり、各生産者の翌年以降の栽培技術の革新に大いに役立っています。

さて、放射能問題については、有機肥料など各資材の放射能を事前チェックし、また、収穫直前には、検査用のサンプル玄米を採取して、Cs1ベクレル精度の厳密な放射能検査を行い「検出されず」の確認がとれました。ご安心下さい。
本格的な収穫期に入ってから雨多く、作業が進まず今年の収量はまだ正確には判りませんが、平年作をやや上回る見込みです。また、味など品質も好いようです。

では早速新米をお届けしますので秋田の秋の味をお愉しみ下さい。
また、新米の進物利用やお米をご利用下さる方のご紹介も引き続き宜しくお願い致します。

 

最近の農業事情あれこれ

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化粧用稲穂の準備 ポンコツバインダーで稲を刈る。 2015.9.14

右の写真は、皆さんに新米お届けの時にお入れしている稲穂をバインダーで、刈り取っているところです。
この稲穂は、本来の収穫時期よりも10日ほど早めの葉っぱに緑が残る頃に刈り取って、植物標本を作るように直射日光を避け、陰干しするなど一工夫しないと、白っぽくなって綺麗な化粧用の稲穂は得ることができないのです。

稲穂の採取はわずか100束余りですが、稲刈り用のノコギリ鎌で腰を曲げて刈るのはたいへん苦痛です。そこで稲刈り用のバインダーを使っています。

さて、現在の一般的な稲の収穫作業は,稲刈りと脱穀をコンバインで同時に行いますが、棚田など用に今でも稲刈りだけのバインダーが50万円前後で販売されています。我が家のバインダーは、ヤフオクで2万円で手に入れた中古機で、使えるように自己整備した代物です。

ところで、最近の国産農機具は耐久性や性能がおどろくほど向上しました。でも、価格も驚くほど高くなりました。
田圃を耕すトラクターと収穫に使うコンバインは、お米作りに使用する代表的な機械ですが、我が家が使う大型のものは、どちらも1台1千万円を超え、その他の田植や収穫調整用の機械や設備を揃えると五千万ははるかに超えます。

日本の一般的な稲作農家は、平日はサラリーマン。朝夕と日曜祭日に米作りを行う「兼業農家」が主流ですが、こうした小規模な農家が使う小型のトラクターやコンバインであっても1台数百万円という時代になりました。

このため、新しい機械を購入すれば採算が合わなくなるため、農機具が壊れるのを機に、田圃を近隣の人に貸すなどして米作りを止めることが、この十数年増えてきました。

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田圃に来た孫たち:長男・悠真(小2)/長女・花穂(幼)

ところが、田圃を借り入れ規模を拡大した農家も、直近のこの数年は、農産物価格の下落と機械設備や生産資材の高騰で経営が思わしくなく、規模拡大の気運にかげりが現れてきました。
米作りを止めた農家が、田圃を貸そうとしても「借り手が無い。」田圃を売ろうとしても「買い手がない。」という、かってには予想も出来なかった状況が進んでいます。このように日本の農村現場は今「最悪の状況」です。

しかし、この大きな原因は、国産農産物の生産過剰からきているので、余り将来を悲観しなくとも、このまま数年すれば、生産構造が変化してある程度落ち着くのではないかと思いながら、中古の農機具を集めたり、自前で修理するなど経費節減しながら頑張っているところです。

 

馬場目川源流部にブナを植える集い

今年のブナ植は次により行います。ご支援ご参加をお願いします。

期  日 : 11月3日(文化の日) 8時半黒瀬農舎ロッヂ出発  15時解散

☆前日夜は農舎ロッヂにて前夜祭 (夕食懇親会:大潟産野菜と男鹿の魚 無料)
☆宿泊希望の方は早めにご予約下さい。(宿泊負担はシーツ洗濯代500円のみ)
定員オーバー後の方は近くのホテル斡旋。(宿泊料五千円程度自己負担/夕食はロッヂにて)
☆当日参加に方は、JR八郎潟駅に送迎バス9時です。
☆ご参加の方は、早めに早割航空券やツアー切符、夜行バス切符など手配下さい。
☆ブナ券カンパもお願いします。