14年10月/帰ってきた脱走カモ君たち

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収穫期を前に最後の草取り中 2014.9.5

嬉しい秋到来・新米をお届けします。PDF版

今年の稲作後半は、稲が穂を出す頃から、当地は雨の日が多く、8月は、日照時間が平年の40%という悪天候でした。
穂が出る時期に、雨が多く、日照が不足するとイモチ病の発生がとても多くなるので、付近の一般栽培を行っている農家は、イモチ病対策の農薬散布に大忙しでした。

ところで、このイモチ病で思い出すことは、まだ秋田新幹線がない時代の秋に、盛岡で乗り換えて東京に向う途中、赤ずんだり、白っぽくなったりと、黄金色に映えるはずの仙台平野の田圃に輝きがない、異常な景色が拡がることを、数年に一度の割合で目にしたものです。
これは、イモチに弱いササニシキのイモチ病激発被害の景色なのです。
このようになると、収穫量は3分作か、良くて半作、その上品質は悪く、同じ生産者として、気の毒に思ったり、悲しくなったものです。

ところが最近は、このような異常な景色を目にすることはありません。
善し悪しは別として、イモチ病農薬の進化と農薬使用の増加による効果です。

今では、予め種蒔きの時に農薬の粒を床土に混ぜたり、田植え後に粒のイモチ病薬を田圃に撒くと、稲の根から農薬が吸われイモチ病が防げるようになりました。
今年の夏の悪天候など、それでも病気が出そうになる時は、粉や液状のイモチ病防除の農薬を、さらに撒けば、病気が抑えられる時代になったのです。

でも、私たちのように、農薬を使わないお米作りは、多くの収量を求めず、有機の肥料を上手に使い、稲を健康に育てることで、病気が出ないように気をつけて栽培する他ありません。 今年8月のような悪天候の時はとても心配です。

しかし、9月に入ると、天候は急激に好転し、日中は暑く、夜は涼しい、稲が稔るのにとって理想的な天気を取り戻しました。
8月の悪天候によるイモチ病は、大きな被害に拡大せずに無事収穫を迎えることが出来ました。稲刈りがスタートしたばかりで正確には判りませんが、収穫量も品質もほぼ平年並みを確保できそうで一安心しています。
早速新米をお届けします。どうぞご賞味下さい。

 

文化の日は、ブナ植の日。ご参加ご支援をお待ちしています。

すでにご案内のように、今年の文化の日の11月3日も、馬場目川上流部の山にブナを植えます。
私たちの田圃を潤す八郎湖の水のほとんどは馬場目岳の森に降った雨水を、馬場目川が運んでくれた水です。

私たちは、22年前から、馬場目川源流部の国有林にブナを植え、水の大切なことや、農薬や化学肥料、或いは洗剤問題など、人々に環境についての問題を愉しく考えて頂くことを主眼とした運動を行っています。

毎年の、ブナ券(¥1.000.-)としてのカンパや、ブナ植え当日の参加など、多くの皆さんにご協力頂き、感謝しております。ありがとうございます。
今年も我がロッヂにおいて、ブナ植栽の前日の前夜祭など例年同様に以下のように行います。都合のつく方は、是非ご参加をお願いします。

第二十二回ブナ植の集い
今年も私たちの田圃に水を運ぶ、馬場目川上流部の山にブナを植えます。都合のつく方のご参加やブナ券カンパをお待ちしております。

11月3日 (文化の日) 9時スタート、現地解散14時半
(当日お帰りの方は17時頃のJR秋田駅発、18時前後の秋田空港発が利用可能です。)
★前日は黒瀬農舎ロッヂにて前夜祭。参加希望者は早めにご連絡お願いします。

 

カモ余話。 帰ってきた脱走カモ君たち

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脱走カモを荷台に誘導 2014.9.3

今年も草取りは1.200羽余りのカモ君たちに応援をお願いしました。

カモの管理は、我が家のお米を長年
ご利用下さっているOさんが一手に引き受けて下さいました。
Oさんとカモ君たちのお陰で、草取りの手間を70%程度減らすことができたという、多大な実績が上がりました。

カモ君たちのほとんどは、除草作業を終えて7月中旬に生まれ故郷の山形県舟形町に帰りました。
ところが、その後1ヶ月余りしたある日、作業に田圃へ向う途中で、ガーガーと以前聞き慣れた声が遠くで聞こえるではありませんか。

我が家の田圃から1キロメートルほどの所で車を止めて探すと、我が家の田圃から逃げたに違いない100羽近くカモが群れをなして遊んでいるのを見付けました。

早速、くず米を持ってきてカモに与え、道路まで誘い出し、我が家の田圃に隣接する大きな水路までヨチヨチ歩きで、全員を誘導しました。
1ヶ月余り会わなかった脱走カモは、すこぶる大きく成長していましたが、マガモは、寒くならないと、脂が乗らないので、11月下旬まで自由に遊ばせることにしました。 その後、田圃作業のついでに、時々餌を撒くなどしていました。

ところが、9月に入り、我が家の田圃の稲が稔りかけてくると、稲の穂をどんどんかじり始めました。まさにカモ公害です。

脱走カモは沼で以前の仲間と再会。大喜び。
脱走カモは沼で以前の仲間と再会。大喜び。

そこで、車の荷台に板でスロープを掛け、水路からトラックまで誘導するための簡易なアミを張り、餌を撒きながら、全員をトラックに乗せました。 驚くほど従順です。
山形へカモを返す時に、知人の大工さんが「自分の家の近くの沼で、美味しくなるまで飼いたい。」と100羽ほどのカモを持ち帰っていましたので、その沼まで運びました。
カモは、雪が降り出して、脂が乗れば、大工さんらに食べられることも知らず、トラックから沼に飛び込み、泳いだり飛び回って嬉しそうに大はしゃぎしていました。