自殺する種子―アグロバイオ企業が食を支配する

「自殺する種子」とは、遺伝子組み換えにより作られ、作物を育てて実を結び種ができても、その第二世代の種子から同じように作物を育てることができない種子のことです。

そのため、毎年新たに種子を種子会社から買う必要があり、種子会社が儲かるような仕組みとなっていますが、種子から次の世代が生まれないと言うのは自然の摂理からは外れ素人からしてもなんとなく違和感を覚えると共に、このような遺伝子組み換え自体が安全性が確保されているのかなどの問題点もあるようです。

この本は、「自殺する種子」というタイトルはついていますが、自殺する種子の問題に限らず、遺伝子組み換え作物(植物)について、肥料や農薬を扱う巨大アグロバイオ企業の現状、畜産における抗生物質の使用や鳥インフルエンザの発生、そして農薬や化学肥料の使用についてなど、農業関連の多くの問題点について幅広く書かれています。
(基本的に遺伝子組み換えや、飼料への抗生物質の配合、農薬・化学肥料の多用については否定的な見地から書かれていると思います)

幅が広すぎるために、僕のような知識が乏しい人間には理解するのは難しいですが、現状の近代農業において問題点(があるという意見もある)ということを概要だけでも知るにはいい本だと思います。