TPPで日本の米農家は壊滅か?(その2)

さて、輸入米価格が8,500円になり、国産米も同じ価格になれば
日本の米農家は壊滅・・・という話であったが、本当にそうなのか考えてみる。
(ここまでの話は(その1)をご覧下さい。

◆輸入米と国産米は同じモノなのか。

そもそも、
輸入米も国産米も同じ米は米だが、単純に同じ価値・同じ価格となるだろうか?

一部の外国産米には、確かに日本の米と遜色のない米も存在する。
しかし、外国産米は日本では知名度=ブランドが確立していない。
ブランドがない輸入米より、食べ慣れた国産米が価格的に優位
になるはずである。

また、安全性も、残留農薬検査で安全性を確約することはできるが、検査結果がどうあれ、「なんとなく国産が安心」という感情も大いに存在するはずだ。
さらに、一部は「日本の自給率」、「日本の農家のため」という正義感で国産米を買ってくれる人もいるだろう。

もちろん、価格重視の消費者や、業務用などの需要もあるので、国産米の需要全体は減る。

しかし、多少の価格差なら国産米を買う人がいる以上、
市場価格としては、国産米は輸入米より多少は高い価格にるはずである。

では、消費者はその国産の安心感やブランドにいくら払うのだろうか?

◆国産米の米価は9,500円~10,000円?

消費者が国産米にどの程度の価値を見るかはわからないが、
例えば、国産米が輸入米より1~2割程度高いだけなら、買ってくれる消費者も多いのではないだろうか。
(これは、あくまでも感覚的なものなので正確ではないかもしれないが)

これを元に、輸入米(1俵8,500円)より1~2割高いとなれば、
国産米米価は9,500~10,000円ぐらいだろうか。

現在の米の生産費を見るとこの価格は厳しいが、10,000円の米価なら、規模拡大や経営合理化などによって農家が生き残ることもできそうである。

◆まとめ

輸入米により国産米の需要量は減るし、現状では10,000円の米価では赤字となるので、小規模な農家や、経営努力をしない農家はたとえ規模が大きな農家も淘汰される

個人的には、経営努力をしない農家が淘汰されるのは仕方ないと思う。
これは、農業以外で経営努力もしない店や企業を保護する必要はないのと一緒。

しかし、1.5倍程度の価格差であれば、
各農家が経営努力で、生産費を下げて価格差を縮めることもできるし、食味の向上や、減農薬栽培などで輸入米との価格差を消費者に納得してもらうこともできるだろう。

さらに極端な話、効率化を進めて、輸入米に価格で勝つってこともあり得る。

一言でまとめれば、、、、
なんかしら頑張ってみればなんとかなりそうである。

「なんとかなりそう」というのはなんともアバウトすぎるまとめだが、個人的には、嬉しい結果である。

実は、農水省試算では、内外価格差が4.3倍である。
多少マズかったり、「国産米がいいな」と思っても、4.3倍の価格差なら、ほとんどの消費者が安い輸入米を選択するだろう。

価格差4.3倍なら楽観的に考えても「なんとかなりそう」ではない。

そういった意味で、「なんとかなりそう」は嬉しい結果なのである。

ちなみに4.3倍の根拠を見ると、TPP反対の立場から無理やり都合の良い数字を探してきたと思えるような比較で、あまり現実的ではないと思う。

◆我が家の対策は・・・

さて、具体的にどうするかについて、こればかりは、

-どんな米がいくらで入ってくるのか、
消費者がどんな購買行動をするのか、
そういったものが見えてこないと対策も立てようがない。

具体策は、ある程度物事が具体化しないとできないことだと思う。

現状としては、
TPPとか輸入米といったことと関係なく、
我が家のお米を買ってくれているお客さんに、
美味しいお米を届け、
そして自分たちのお米の価値を知ってもらうしかない

以上。

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以上ですが、TPPの話を聞かれたので、ブログにまとめてみようと思ったけど、結果としては、まとまらずに長々とした文章になってしまった・・・。
しかし、自分自身はなんとなく方向性は見えたので良しとしよう。



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ここの根拠となる輸入米米価8,500円は、個人的な推測です。

様々なデータを元に推測したもので、まったく根拠がないものではありませんが、推測したのが素人ですので、正しいとは限りません。ご了承下さい。
『いやぁーもっと安くなるでしょ!!』などの意見やデータがあれば教えて下さい。

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