オーストラリア農業視察

オーストラリア・クイーンズランド州バーデキン地域視察
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<1/19 夜> 成田発 →→→ <
1/20 早朝> ケアンズ着/国内線に乗り換え

<1/20 午前>

Townsville着 Hans氏と合流
Hans氏(写真中央右)は、オーストラリアの冒険家。
自身が環境保全のため植林を行っており、また日本が大好きなため、自分の植林と日本人の農業のコラボレーションをオーストラリアでできないかとのことで今回の視察を計画。


レンタカーを借りてバーデキンダムへ
バーデキンダムが今回の視察するクイーンズランド(Qld)州北部の農業地帯の水がめ。
オーストラリア南東部の穀倉地帯ニューサウスウェールズ州が今年は大干ばつで前年比数%という収穫量に苦しんでいる中で、この地域が一切干ばつの影響を受けないのはこのダムのおかげ。
Qld州は熱帯気候で雨季に一度に雨が降るため、その雨をダムに貯水している。
訪問した時期は雨季の始まりで、数日前に今年最初の大雨が降ったとのことで、ダムは満水で大量に水が放流されていた。

ちなみに、訪問した直前の雨は、何十年に一度の大雨だったということで、いたる所で道路や農地・家屋が浸水するなどQld州に大きな被害をもたらした。


<1/20 午後>

バーデキンダム周辺で昼食を取り、バーデキンダムの下流のAyrへ

ダムからの山道を降りると途中から広大な平野が広がり、一面のサトウキビ畑。
Ayrはバーデキンダムから流れるバーデキン川の下流の平野地帯の中心の町。
といっても町の人口8,000人ほどの町(周辺の農業地帯全体で2万人弱)。

Ayrのダウンタウン
週末のためほとんどの店が休業

Country
Ayr Motel


<1/21 午前>
Burdekin Shire庁舎訪問/担当者と町長(郡長)と会談
 
Burdekin Shire(郡)はAyrや周辺の農業地帯の町の属する郡。
行政単位が郡単位のようで、郡の庁舎が日本の町村役場の役割を果たし、町長ではなく郡長がその地域のトップ。
今回のBurdekin Shireの郡長はオーストラリアでも珍しい女性郡長(大潟村も女性村長)で、且つ旦那さんが農業をしていると言う事で好感を持ってもらえたのか、会うことができ(さらにお土産まで頂き)、また夜にはディナーに招待して頂いた。

左:庁舎外観/右:郡長室での会談、中央右奥の女性が郡長

不動産屋と共に売りに出ている農場や農場周辺の灌漑施設を視察

いくつかのサトウキビ畑とその周辺の灌漑施設(ポンプ場)などを見て回ったが、これによりこのバーデキン川流域の広大な広さをあらためて思い知る。
3時間近く走り回ったがすべてが畑。どこまで行っても山どころか丘もなくすべてまっ平らな畑地帯。。。


<1/21 午後>

サトウキビ農家訪問
以前は稲作をしていたというサトウキビ農家を訪問。1990年代始めまで稲作を行っていたが、病害虫やの発生や鳥による被害のための収量減少による経済的原因で稲作を辞めた。現在は100haほどの土地でサトウキビを栽培(うちの約6-7倍、日本の一般的な農家の30-50倍の広さ)。
サトウキビが特に収益が良いわけではないが、作業に手間が掛からないことなどもあり、本人を含めてこの地域ではサトウキビの栽培が多いとのこと。
ちなみに収穫したサトウキビはカゴの付いた貨車に乗せられて、そのまま地域にある加工工場に運ばれるため、この地域の各農場の脇にはすべてレールが走っている。

 
上:サトウキビ農家宅
左:訪問先の農家の家の前のサトウキビ畑
右:サトウキビ畑横のレール上に置かれた運搬用の貨車

<1/21 夜>

Burdekinの郡長と会食
 
ディナーに招待されたが会場がモーテル内のレストランだったので、手を抜いたかな?と思ったら、町の中ではなかなか評判のレストランらしい。
バラマンディというこの地域で有名な魚の料理を薦められて食べたが確かに美味しい。結局、この旅行で食べた中では一番の料理であった(値段もそれなりに良かったようだけど)。
左:バーデキン郡長とのディナー
右:地元名産のバラマンディ料理

Country
Ayr Motel

<1/22 午前>
サトウキビ生産者組合訪問
この地域に3-4つある生産者組合の一つを訪問。この地域のサトウキビ栽培の状況を簡単に説明してもらう。
内容的に特に重要な話はなかったと思うが、地域の説明をするのにGoogleEarthを利用しての説明がなかなか面白かった。うちもこれを取り入れてみようかと検討。
ちなみに、ここでも稲作をするのであれば鳥の被害が深刻であるとの指摘を受ける。
地元の水管理会社(SunWater)訪問
初日に見たバーデキンダムからの水を管理しているSunWaterを訪問。公設民営のようで、運営会社は一応民間企業のようである(もしかしたら半官半民かもしれない)。
ここで水資源の状況や水の使用量などの説明を受ける。基本的に水は余っているため、水を多く使う稲作なども問題なく行える(水を使ってもらえるので大歓迎)。また、この地域全体の農場ごとの土壌分析結果が載った地図が存在したため、稲作に適した土地が探し易いことも判明。

 
左:サトウキビ生産者組合/右:水管理会社

地元の農業資材屋と共に農場を視察

オーストラリアでは農薬や肥料、道具などを扱う農業資材屋が農地売買にも関わっており、資材屋に農場を紹介してもらう。事務所には、色々な売り農地のパンフレット(カラーでキレイに印刷されている)が置かれていた。
今回紹介してもらったのは畑と放牧地が混ざった3,500haの土地。大潟村の農地の1/3の広さ、東京で言えば杉並区とか板橋区と同じぐらいの広さの土地がなんと7億円で手に入るお買い得物件!!
とは言え、放牧地は、木も生えている単なる平地。稲作をするためには木を切り倒して、土地を起して、全体を平らにしてという開墾作業が伴う大変な土地。。。 とりあえずオーストラリアの広大さを見せつけられた。
(ちなみに、敷地内に溜め池もあり水には困らないとのことなので、開墾からやってやるぜ!!という意気込みと7億円を持っている人はぜひどうぞ)

 
上:3500haの農地(放牧地)の一部
左:道路が雨で冠水していたため途中から徒歩での視察
右:敷地内の溜め池/手前は溜め池からのポンプとポンプ用の燃料タンク

<1/22 午後>
サトウキビ農家訪問
 
昨日同様に以前は稲作をやっていたというサトウキビ農家を訪問。稲作をやっていた時代は生産者組合の理事まで勤めた方。今は息子2人と共に1,000ha(中央区とか荒川区とほぼ同じ面積)でサトウキビを中心に栽培。家にはタイヤが人の背丈ほどある300馬力近いトラクターを2台、同じぐらいの大きさの管理機(肥料や農薬を撒布する機械)が1台があり、その大きさに驚き。でもって年間の農機具の燃料代(軽油代)が3500万円とのことで再度驚く。何から何まで規模が違い過ぎる。。。
話の内容としては、昨日の農家と同じような話であったが、息子2人も継いで規模も拡大させている農家だけあり、サトウキビだけの栽培では将来性も不安とのことで、綿花などを試験的に栽培するなどの積極性を持っていた。米の栽培についても、売り先が確保でき、価格も納得できるのであれば作る気はあるとのこと。ただ、ここでもまたしても鳥の被害を懸念するとの声が聞かれた。

Townsvilleまで移動(1時間)
Townsvilleまで戻り久しぶりに信号機を見つけ、ようやく少しは都市らしい地域に来た事を実感。

Summit
Motel

<1/23 午前>

Qld州農務省(DPI)訪問
Qld州北部地域のトップの方と会談。
以前、日本からもQld州での稲作に関する問い合わせがあったとのこと。
いくつかオーストラリアの国の検疫や州の法律などに関する質問をして、回答をもらえるようお願いする。


Qld州開発局訪問
企業誘致などを担当する部署を訪問。簡単な挨拶と名刺交換をして終了。

Hans氏と別れてケアンズまで移動
Hans氏はここから自宅のあるブリスベン方面へ南下するため、ここでお別れ。
手前が今回1300kmを走破したレンタカー トヨタ『エスティマ(オーストラリア名:Tarago)』
奥はHans氏が1000km離れた自宅から乗ってきたHyundai 『Getz』(1400cc)


<1/23 午後>

(引き続きケアンズまでのドライブ)
ケアンズまでの途中にもサトウキビ畑やバナナ畑などがあったが、やはりバーデキン川下流の平野と比べると、規模も小さく、また作物の出来自体が良くない。それだけバーデキン川下流の平野は、豊富な水があり、土地も肥沃であるということが確認できた。
ケアンズまでの国道


夕方ケアンズ到着、ケアンズ市内散策
観光地(リゾート地)として有名だが、町自体はそれほど大きいわけではなく、完全に観光客向けの街。
ただ、大雨の直後だったからか海は濁っていてキレイではなかった。
ワーキングホリデーで住む日本人の若者が多く、ほとんどの土産物屋に日本人店員がいるため日本語で事足りる便利さはあるが、あまりの日本人の多さがつまらないようにも思える。
ケアンズ市内のナイトマーケット


Mantra
Trilogy Resort Cairns

<1/24 午前>
ケアンズ市内でレンタカー返却

4日間の走行距離1300km。
未舗装道路での事故などには保険が効かないにも関わらず、農場やダムに行くために未舗装道路を走らざるを得ずヒヤヒヤだったのもの、幸いにも事故を起すこともなく無事問題もなくレンタカーの返却を完了。

ホテルからタクシーでケアンズ空港へ移動

<1/24 昼> ケアンズ発 →→→ <1/24 夜> 成田着

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