<本>地域の味がまちをつくる―米国ファーマーズマーケットの挑戦

日本でファーマーズマーケットが少ないのはなんでだろう?

『生産地と消費地が遠いから』、『農協などの系統での流通に支配されているから』、なんてのが思いつくけどどうなんだろうか・・・。

最近は、環境や農業への関心が高まったことで都心などでファーマーズマーケットを開催することもあるらしいけど、地域に根付いた定期的な市ではない。
また、直売所なども最近は大流行だが、あれもファーマーズマーケットとは少し違うような。
(直売所が悪いと言うことではないけど、なぜ欧米と違うんだろうか)

と思っていたところで、たまたまアメリカのファーマーズマーケットについて書かれた本を見つけたので読んでみた。

読んでみてわかったのは、アメリカのファーマーズマーケットも、古くからあるものではないということ。

当然、昔々はそれぞれの街でマーケット(市)が開かれていたけど、スーパーマーケットの出現などでそのようなマーケットは廃れていき、その後、早いところでは、70年代から新たなファーマーズマーケットが始まり、90年代以降でも新たなファーマーズマーケットができている街もあるらしい。

ファーマーズマーケットができてきている理由は、地産地消などの理由もゼロではないものの、治安の悪い地域や廃れてしまった倉庫・工場街などを再生するために人々が集うイベントをということでファーマーズマーケットが用いられていることも多い。
(特に近年新たに作られているところはその傾向が強いみたい)

ファーマーズマーケットの大きな特長は『農家自身が自分で販売する』という点で、日本の直売所のように品物を並べるだけではなく、自分で店を持って販売すると言う点で大きく違う。

しかし、自分自身で販売するとなると、ファーマーズマーケット開催日は丸一日接客をする必要があるわけで、ファーマーズマーケットで結構な売上が見込めないと、農作業の時間を削ってやるのには厳しいような気もする。
アメリカのファーマーズマーケットは、それだけ売ることができるってことだろうか?

そう考えると、比較的敷居が低い日本の直売所スタイルも合理的で悪くない気もする。
でも、街の賑わいをもたらしたりするには、直接農家と消費者が交流できるファーマーズマーケットのようなスタイルが理想的なんだろうな。