稲作農家の労働時間

大潟村では、30年以上前から地元大学(前農業短大)が大潟村農家の経営調査を行っています。

keieireport今日は、最新の調査結果の報告会があったので聞いてきました。

その中で、夫婦2人の稲作専業で、一人当たりの労働時間は、年間1000時間程度と言う報告が出ていました。
サラリーマンの平均である2000時間と比べると圧倒的に少ない数字です。

大学の先生による報告では、米価下落の中で所得をあげるために、あいている時間をうまく活用して、他の作物の栽培などをすることで所得を確保しましょう、と言うお話でした。確かにその通りだと思います。

稲作農家の労働時間が短いと言う話が出ると、稲作農家は「農繁期に偏りがあるので仕方ない。冬は雪で農作業ができないから仕方ない。」と言う答えを返すことがあります。(僕もそう答えます)

確かに「労働時間がサラリーマンの半分なんだから、同じだけ働くために倍の面積の田んぼを耕せ!」と言われても、それでは田植えや稲刈りの一番忙しい時期の作業が回らなくなるので、そんな単純な話でありません。

 

ただ、自分で働いて稼いだ分で生活するならば、どんだけ働こうが(逆に働かなかろうが)自由なのですが、労働時間がサラリーマンより少ないのに所得保障などの補助金を求めたりするのはどうなのかなー、とは思っています。

稲作だけで労働力の分散に限界があるならば、他の作物を作ったり、他の収入を得る道を探った上で、最低でも他の産業の労働者と同等程度の時間を働いて、その上で農業では飯を食えないから所得保障を!と言う話なら、まだわかります。(それでも、コスト削減や販売などの工夫で他の産業並みに稼げるような努力をするか、転職するかした方がいいと思いますが)

 

サラリーマンの生活も厳しい状況の中で、「日本人の主食だから」と言うよくわからない理由から、自分たちの倍の時間を働いているサラリーマンの稼ぎ(税金)を原資とした補助金をたくさんもらえる生活は、すごく不自然な環境だと思いませんか?

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